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問題はそこじゃない。

私がよく読むサイトにこんな記事があった

ペットショップ出身の犬に見られる行動特性

私も今の日本の犬猫流通システムに疑問を抱きますし、
実際自分が飼う犬も非商業的ブリーダー(と、いうんですね。笑)から買いました。

が。この記事は少々いかがなものかと思われます。

まず第一に、これはアンケートの結果=統計であって、
研究とか科学的なお話はひとつとしてない、ということ。

そもそもが、ショップから犬を買う人とブリーダーから犬を買う人では
犬に対しての意識や技術・知識が違うでしょう。

比較的信頼がおけるデータにするのであれば、少なくとも同じ飼い主が
ショップ出身とブリーダー出身の犬を飼って、その差を比べなければ。

また、割合で比較はしているのでしょうし、
まぁ数としては十分であるとは思うけれども、それにしても
ショップ出身が413頭に対してブリーダー出身が5657頭って
母集団が10倍以上ってちょっとどうなんですかね?

これはショップ出身はいけませんよーという答えありきでアンケートを
とったようにしか思えませんけど。。

さらにいうならば、(若干あげあし取りなところもありますけど)
「ペットショップの子犬のほとんどは…(中略)…人との接触不足やさまざまな環境と
 接触する機会が持てずに、…(本文サイトより引用)」
とありますが、むしろペットショップに連れてこられる犬たちの方がより多くの人と環境に
晒されていると思うのですが。

脳の発達という意味ではより多くの刺激に晒されている方が発達は促されます。

矛盾も多く、説得力もありません。。

問題になるのは、(パピーミルは問題外として)
生後2か月になる前に親兄弟から引き離され、母親に怒られるなどのきちんとした「離乳期」
を過ごせなかったことによって、「抑制」がきかない、キレやすい、などの問題が
生じやすくなっていることにつながっている。ということでしょう。
そこには脳の抑制を司る部分がうまく発達できていないなどの話がでてきますね。

さらに掘り下げるのであれば、
「犬を買うなら若ければ若いほどいいんだ」という古くから日本にある迷信?
みたいなものが、親から引き離される時期を早めている結果になっています。
若いうちしか高く売れず、生後3か月をすぎると安くしないと売れない。
そりゃブリーダーさんも限界まで早めて売りに出しますよね。。
3か月、4か月、、半年くらいでも(適正に育てられたいい犬なら)高い値段で犬を買います!
という人が多ければこういう状況にもならないと思いますが。

もちろん、繁殖者からショップに至るまでの環境も良くならなければなりませんし、
ショップにおける環境だって犬にとってストレスの無いように、見直さなければならないと思います。

ペット先進国と言われる国ではいわゆる生体販売を行うショップは少なくなっているそうです。
では、どうやって人は犬を手に入れるのか。
ご近所で趣味で?道楽で?繁殖をされている「非商業的ブリーダー」がどれくらいいるでしょう。
お客さんの中にも、「メスを飼っているからオスを、、」「オスを飼っているからお嫁さんを、、」
と、相手を探しに来る方もいらっしゃいますが、今の日本では悪徳ブリーダーを排除する目的で
作られた「動物愛護法」が邪魔をして一般の方の繁殖は非常に面倒になっています。

ショップからブリーダーを紹介され、それを直接足を運んで買う。それもいいでしょう。
でもそのブリーダーは「商業的ブリーダー」になってしまいますよね。
単純に非商業が良くて商業が悪い、というくくりで済む問題ではありません。

まだまだ、これが正解!というのは難しく、道のりは長い気がします。

売る方も、買う方も、犬について、しっかり学んで、正しい知識を
得ていくことが犬文化向上につながっていくと思いました。

by yykyotako | 2013-05-18 20:55 | 考察